それでも笑っていられるなら

先日、脳神経内科で患者さんとそのご家族の
診察に立ち会いました。
80代の父親と息子さんです。
認知症が進んできたとの事で
免許証の返納をしてほしいと息子さんが言います。
父親はかたくなに拒否反応を示し
自分はまだそこまでボケてないと言ってます。

公共機関を利用するとしても
バス停や駅までは歩かなければなりません。
足腰が弱くなり痛みもあるなら
それもかなり辛い事だと思います。
だから車が楽でいいんですよね。

しかし最近のニュースで高齢者の事故が
立て続けに報道されると
息子さんが心配されるのもわかります。

医療機関としては当たり前に
認知症の診断をつける為に色々な検査をし
結果をお伝えするまでですが
そこから先はご家族の判断となります。

免許証の返納をするか否か
難しい選択だと思います。
ご家族の心配と、ご本人の思い。
どちらも大切にしたいのですが…。
先々で後悔しないためにはどうするべきなのか。

「何かをあきらめるとしても
その先に笑っていられる選択が
一番いいのかもしれませんね。」

私はお二人にそうお伝えしました。
どう受け止めていただけたかはわかりませんが
これは現代社会の課題の一つですね。
いつかは自分と家族が受け入れなければならない課題。
そんな日が来るのだろうと感じた場面でした。

投稿者プロフィール

末光道代
末光道代くれたけ心理相談室(名古屋本部)心理カウンセラー
くれたけ心理相談室 心理カウンセラーの末光道代と申します。

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